「脅威」のあとに、「罪悪感 Guilt」が来ます。
状況の変化により、自分というものをどのようにとらえていたかという認識が疑わしいものになります。
自分の行動を支えていた自己認識が崩れていきます。
今まで、「自分は正しいことをしている」と思いこんでいた人ほど、自分を責めます。
自分の持っていた価値観、先入観、偏見がすべて自分に返ってきます。
障害を持っている人を「かわいそうなやつ」とか、「障害があることは劣っていること」と見ていた人は、自分自身が障害を持つと、「おれはだめなやつだ」と思いこみます。
ストーマを作った後で、患者さんがナースに「おまえはストーマを持っていないから、俺の苦しさがわからないんだ」と食ってかかることがあります。
そんなときに、「私は患者さんの心がわからない」と言って、泣く新人ナースがいます。
食ってかかる患者さんは、実は自分の偏見に苦しめられているのかもしれません。
また、そのために泣く新人は自分が患者となり「ストーマが必要になります」と言われたときに、また泣くのです。
自分の先入観のために・・・
それは「悪いこと」ではありませんが、「楽しいこと」でもありません。
医学生や看護学生で、「こんな職業を望んだ私は馬鹿だった」と嘆く人がいます。
確かにおろかなのでしょう。
学校に入らなければわからなかったことを、入る前にわかるはずだと思いこんでいるところがです。
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