普通の褥瘡ケアの批判的解説


 従来教育されている「褥瘡ケア」に対する批判的解説です。

 普通の解説ではありません。
 
 解説していても楽しくないので、将来は消すかもしれません。

  褥瘡は最近になって脚光を浴びるようになりました。

 かつては、「何とか快適に過ごせるように手伝いたい」という熱意あるナースと、それに巻き込まれたほんの一握りのドクターしか関心を示していませんでした。

 今ではナース、ドクターはもちろん、PT,OT,薬剤師、栄養士、工学者も褥瘡に興味を示します。

AHCPRのガイドライン治療用

現在は絶版となった
貴重な本
 褥瘡に対して、世界で初めて、「いわゆる科学的な」取り扱い方をしたのは、Agency for Health Care Policy and Research(AHCPR)が、1992年と1994年に発行したガイドラインです。

 予防用治療用の2つが作られました。AHCPR自体はその役目を終えて解散しました。

 このガイドラインは、現在流行となっているEBMのはしりだと思います。

 800以上の文献を集め、その文献に書かれている結論の「強度」を評価しました。

 National Pressure Ulcer Advisory Panel (NPUAP)や、International Association for Enterostomal Therapy (IAET)、Association of Rehabilitation Nursesが後押し、エキスパートを集め、評価しました。

 この「強度」は、説得力があると思われるものをAとし、それよりゆるいものをB、エキスパートの意見などをCとして示しています。

 この「強度」は、その結論の「正しさ」を示すものではありません。

 「学問的な受け入れられやすさ」と考えた方がよいです。

 ですから、強度Aだから、この通りにすれば良いというのではありません。

 「強度を参考にして、自ら原論文を読み、自分の責任で実践しなさい」と書いてあります。

 マニュアルではなく、本当にガイドラインなのです。


 10年前には私にとって、褥瘡治療とケアのバイブルでした。

 現在、日本で刊行されている褥瘡のケアや治療についての本は、このガイドラインを底本に書かれ、この域を大きくは越えていません。

 しかし、今では状況は変わりました。