ド よし、それでは、勝ち犬はこっちの椅子に座ってもら おう。
まずは、勝ち犬はこう言って始めるんじゃ。
「アデレード、お前は・・・するべきだ」(再び、役を替えるつど、席を替える)
ア (勝ち犬として)アデレード、お前は、お前は毎朝、7時に起きるべきだ。
食べ過ぎるな。
運動しろ。
もっと、能率よく作品を書け。
朝、8時にタイプライター に向かえ。 ド こんどはもっと強く。
ア (勝ち犬)朝8時にタイプライターに向かえ!
ド まだ、負け犬から5インチ離れていることに気づいておるかな?
ア (勝ち犬)うぅ、ぶん殴ってやる。
ぶん殴るんだぞ。
だって、・・・、だって、おまえ はどんな時だって、まともにやってないからだ。
いつも、ごたごたやもめごとを抱え過ぎて、子どもにとってまともな母親でさえないからだ。
ド よしっ、今度は負け犬じゃ。
ア (負け犬として)私は弱いやつなんです。
自分ひとりじゃ何にもできません。
誰か面倒を見てくれる人がいなけれ ばならないのです。
一人でやっていくことはできないのです。 ド
じゃあ、今の状況を表現して。 ア (負け犬として)彼は完全 じゃない。
(そうさ、私も完全じゃない)彼は実在して、私は彼がとても好きなんです。
でも、もし結婚したら、私の自由がなくなるんです。
ド 負け犬が弁解しているのに、気づいておるかな。
ア ええ。 ド 知っと るかな、あんたが席を移るたびに、両足を浮かし、股をしめて、体全体を縮こまらせておるんじゃよ。
ア 勝ち犬になった時は・・・ ド わからん。
たった今、あんたが縮こまっていることに気づいたんじゃ。
もう一度、勝ち犬になって話してくれ。 |