天才数学者 ノーバート・ウィナー

Cybernetics
 サイバネティクス
 1948年


 邦訳 第2版
 「サイバネティックス」
 初版は1956年

 第二次世界大戦当時、アメリカは高射砲の命中率を高めるために、数学者を動員しました。

マサチューセッツ工科大学の教授、天才数学者のノーバート・ウィナーもその中にいました。

 ウィナーは飛行機の軌道を計算し、高射砲の向きを変える制御機構を研究開発しました。


 高射砲の弾は飛行機に直接当たる必要はありません。

 高射砲弾は、設定された高度にあがると自動的に爆発します。

 その衝撃波で飛行機の機体を壊し撃墜します。

 第1次世界大戦では、飛行機より弾の方が速かったので飛行機に向けて高射砲を撃てば、飛行機を撃ち落せました。

 しかし、第2次世界大戦のときには、飛行機の性能が向上しました。

 スピードが速くなりました。

 旋回性能が増しました。

 高射砲の弾のスピードには限界がありました。

 新たな解決法は高射砲自体の動きを滑らかにすることでした。

 高射砲を撃ったとたんに敵機は進行方向を変えます。

 その反応を観察して飛んでいく方向と位置を計算し、そこへ高射砲のねらいを動かす。

 
高射砲の動き自体を測定して、高射砲を動かすモーターを調節することが解決策でした。

 飛行機の動きは高射砲のねらいを定めて撃った結果です。

 この結果を見て、高射砲のねらいを修正すると、弾が当たりやすくなります。

  高射砲自体の動きは、動力が高射砲を動かした結果です。

 この高射砲の動きの結果を見て、モーターへの電力を調節すると、より正確に高射砲を動かせます。

 このように、
ある行動をして、その結果から得た情報を、入力に加えて調節することをフィード・バック・コントロールといいます

 Feed back「食わせ戻す」ということです