フロイトと発達

 前の3つが5歳までの発達です。

 6歳から12歳くらいまでは潜伏期だと言います。

 この時期には、大きな変化はありません。

 12歳から15歳くらいが思春期で、異性に興味を持ち始め、親から離れていきます。



 「神経症」に悩む人々はこれらの発達段階のどこかにとどまっているからだと、フロイトは考えました。

 そして、このようにある段階にとどまってしまうことを固着(Fixierung, fixation)と呼びました。

 固着した時には、特有の性格が見られるとフロイトはいいます。


 口唇期に固着すると、自分のことしか考えず、あまったれで、要求が多く、自分の目的のためにほかの人を利用しようとします。

 神経症になると、薬剤やアルコールの中毒症や、異常な嗜癖やうつ状態を示します。


 肛門期に固着すると、社会的規制、いわゆる道徳や規則との関係をうまく調整できません。

 ほかの人間を支配するか、隷属するかになります。

 規制に抵抗すると肛門を閉めて、排泄しないということから、けちでわがまま、頑固になるといいます。

 このタイプが神経症になると、いわゆる強迫神経症を呈します。


 男根期に固着すると、性的な違いを強調します。

、男性は、いわゆるマッチョ的な行動に男らしさを認めるようになります。

 女性では、早熟して、媚態を示したり、男性をひきつけようとして単純そうな女性を装ったりします。

 男性にせよ、女性にせよ、そのときの手本となるおとな、たいていは父親や母親を超えようとしています。

 このタイプが神経症になると、ヒステリー、露出狂、覗き魔になるといいます。



 潜伏期や思春期に固着することがあるのか否かについて、フロイトは書いていません。

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