システム内の「欠乏」Valid HTML 4.01!


内部の欠乏に「気づく」こと
 「システム内部の欠乏を感知することが、学習のもとになる」ことをシステム理論のところで説明しました。

 機能が「足りない」ということが、システムに感知されることで、「学習」が起こります。

 では、教育理論ではどのようになっているのでしょう?

 現在の教育理論ではレディネスという言葉が使われます。

 レディネスというのはReadinessのこと、「準備状態」です。

 学習者の中にすでに、「準備状態」ができあがっていなければ、教育しても効果がないというのです。

 学習者に学びたいという意欲、つまり動機があると、レディネスの形成は速くなります。

 外的動機と内的動機では、内的動機の方が効果が大きい。システム理論にも合致しています。

コラム
 今まで講演を行った経験では、もっとも教育効果が高いのは、有料のセミナーです。

 特に自分でお金を払って参加してくる受講者は学習効果が高い。

 たいてい、そういう人は年齢は高めです。しかし、年齢とは関係なく、学習します。

 自分の中に足りないものがあると「気づいている
からです。

 だから、お金を払ってでも参加します。

 もっとも学習しないのは、病院が主催したり、参加費を払い、無理矢理参加させられた若いナースです。

 このパターンは学習しません。その人のシステム内部に「欠乏している」という自覚がないからです。

 上記のような経験から、わたしはセミナーや講演には500円でも良いから、お金を徴収することを主催者に勧めます。

 「タダだから、聞きに行こう」という人には、教育しても無駄ですから。

 というわけで、レディネスは学習するために必要な能力と言われますが、じつは「自らの内部の欠乏に気づいている」ことなのです。

 この「欠乏に気づいていること」、アウェアネスが学習の必要条件です。
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