はじめに
ある看護科長は、「人間には、体をきれいにしたいという基本的欲求があります」と看護学校で教わったと言います。
かつて働いていた病院では、一生懸命患者さんを洗う「きれい好きなナース」がいました。
病院にはいろいろな患者さんが来ます。
なかには、「お風呂は嫌いだ」という患者さんもいます。
汚くしていても平気な患者さんがいます。
「便が出そうになったら、教えてくださいね」と、お願いしても、そのすぐ後でパンツを汚している患者さんもいます。
こんな患者さんと、きれい好きなナースが会うと、つらいことが起こります。
きれい好きなナースは患者さんに「楽になってほしい」と言うのに、やっていることは、患者さんのいやがることになります。
何か変ですね。
生物としての基本的欲求を満たすはずなのに、患者さんは苦しくなるのです。
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