キネステティクの前面と後面

 床に接触する部分はおおむね左のアニメーションのようになります。

 この色づけした部分が体の重さを支えています。

 キネステティクでは、この「体の重さをさえる面」を後面と呼びます。

 後面以外はすべて前面です

 キネステティクの中では、人間は前面と後面だけを持っています。

 側面はありません。

 キネステティクの前面、後面は解剖学と異なります。

 頭では後頭部から額まで来ますし、下肢では膝から下腿、足まで解剖学と反対の面です。

 
後面の役割

 解剖学では、前面と後面を見た目で区別しています。

 キネステティクでは機能をみて、前面と後面を区別します。

 キネステティクの後面は、「体を支える部分」の呼び名です。

 後面を支持面と呼んでも良いのですが、それでは体の部分なのか、床の部分なのかがわかりづらくなります。

 フランク・ハッチに「わかりづらいから、前面、後面という言い方を変えたらどうか?」と言ったら、「解剖学が間違えているんだよ」と答えました。
前面の役割

 キネステティクの前面は、「体を支えない部分」です。

 体を支えないで、何をしているかというと、「機能」しているのです。

 前面は「機能する部分」です。

 頭の前面である顔は目で見たり、鼻でにおいをかいだり、口で食べたり、話したりという機能を果たしています。

 上肢の前面は、筋肉がたくさんついていて、曲がる、力を出すという機能を果たしています。

 胸郭の前面は呼吸するという機能を果たしています。

 骨盤の前面は、消化、排尿、生殖という機能を果たします。