前のページの図に描かれていない筋肉もあります。

 皺眉筋は眉の根の前頭筋と眼輪筋の下層にあります。

 この筋肉は眉根をよせて眉間に縦シワを作ります。

 「困った」という顔を作ります。

 頬筋は頬の中にあります。

 上顎骨と下顎骨をつないでいます。

 頬をすぼめます。

 クラシックのトランペッターの書いた教本には、「頬をふくらませるな」と書かれています。

 生徒は頬の筋肉を締め付けます。

 「長く吹くと頬の筋肉が疲れる」と嘆きます。

 その苦しみに打ち勝った人が、クラシックのトランペッターになれます。

 右の写真に移っているのはジャズ トランペッターのDIZZY GILLESPIEです。

 首まで空気が入るように見えます。

 頬筋に力を入れないので、頬がふくらみます。

 このように、ジャズのトランペッターには頬に力を入れない人がいます。

 がんばらず、頬に力を入れず、唇の真ん中だけを唇の筋肉で調節します。

 唇以外に力を入れないようにすると、「楽に好きなように」吹くことができます。

 クラシックな理論に従うと、自分の体のことがわからなくなります。

 頬をふくらませて空気をためて、頬をすぼめると、鼻で呼吸を続けながら、口から息を出し続けられます。

 吹きガラスの職人はこのようにして、呼吸しながらも、息を出し続けて、大きなガラスの壺を作ります。

 この技を使うと、音を切らずにトランペットを演奏できます。

 「循環呼吸」と呼ばれます。ナカリャコフやマルサリスが有名です。

 頬筋の英語名は Buccinator です。

 ラテン語でラッパをしめす buccina から来ています。Buccina は頬を示す Bucca から来ています。 語源についても、頬とラッパのぐるぐる廻りで循環しています。


 このほかにも表情筋はあります。

 前耳介筋,上耳介筋,後耳介筋は、それぞれ耳の前、上、後ろにあり、耳を動かします。

 えっ、耳を動かせませんか?

 わたしはできます。

 高校生の時に練習してできるようになりました。