筋肉の「動き」には、エネルギーが使われます。
エネルギーはグルコースで補充されます。
グルコースからエネルギーを取り出すために酸素が必要です。
グルコースはピルビン酸を経由して二酸化炭素と水になります。
途中に酸素が足りなければ、乳酸がたまります。
乳酸を肝臓に運ぶとグルコースに戻して再利用できます。
グルコースの酸化により作られた二酸化炭素は、化学受容体を介して呼吸中枢を刺激して呼吸を促進させます。
さらに、グルコースの酸化により発生した熱の発散のためにも呼吸は促進されます(犬ほどではないですが・・・)。
また、グルコースの需要の増加と乳酸の搬出のために心臓が刺激され心拍出量も増えます。
多くの人は「体の筋肉を動かすことは、呼吸と心臓に負担をかける」と考えています。
しかし実際には、「体全体の必要に見合うように、呼吸と肺が刺激されている」のです。
この呼吸、循環の促進は生理的な刺激です。薬物や人工呼吸器のような非生理的な強制ではありません。
乳酸やその他の中間代謝物も呼吸や循環を刺激しているかもしれません。
人間の機能については、まだ完全には究明されてはいないのです。
大切なのは、細かい機序ではありません。全体が踏んでいくプロセスを理解することです。
「体の動き」は呼吸や循環のお荷物ではなく、呼吸や循環とインタラクションして、それらと一体となったプロセスの中にあります。
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