褥瘡の原因

 「動かないから褥瘡になる」とは、昔から言われたことでした。 

 こんなことは、誰でも知っていたのです。

 しかし、「動き」が人間のシステムの中でどのようなインタラクションをしているのかを、理解していませんでした。

 「褥瘡は看護の恥」という「言葉」に対して、「圧力が褥瘡の原因だ」として、マットレスの改良、エアマットレスの導入がされました。

 5、6年前からは応力が原因だとして「ずれ」の力学的研究もされています。

 「ずれ」を減らせば褥瘡が減ると考えています。

 また、栄養の不良が要因にあげられたために、栄養チームを作り、回診するところもあります。

 成長ホルモンが足りないと言って、軟膏にホルモンを入れたりします。

 いろいろなことをしていますが、「動きをアセスメントして、支援する」とは言われません。

jason_spinning_wheelchair 不思議なことです。褥瘡ができるのは、「動きが欠乏」しているか、「適切でない動き」をしているときです。

 接触圧、応力の研究、成長ホルモン、栄養、これらは副次的な物です。「動きの欠乏」が褥瘡の原因で、褥瘡は動きの欠乏症の一つでしかありません。

 根本的治療は動きを支援することです
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