コミュニケーションはフィードバック

人間機械論
(人間の人間的利用)
1950年


われわれは、個人として永久に生存することを望む必要がないのと同様、人類が永久に存続することを望む必要もない。

 しかし、われわれは、個人としても人類としてもわれわれが自分たちの内にもつ潜在的可能性を十分発揮できるほど長く生きることは望めよう

(邦訳『人間機械論』p.62)。

 フィードバックによるコントロールの大切なポイントは「センサー」にあります。

 行動の結果の改善のために大切なのは、行動する器官の能力向上ではありません。

 結果を評価する
「感覚する器官」の精度の向上が大切なのです。

 キネステティクスでは、「動きの感覚」能力を上げることを指導されます。

 「動き」の精度を上げるためには、「動き」の結果をこまめに評価する「感覚」の精度を上げなければならないからです。

 「コミュニケーションとコントロールはフィードバックである
」というのが、サイバネティクスです。

 サイバネティクスは画期的発見でした。機械に人間のようなコントロールを可能にさせました。

 このとき、ウィナーは第2次産業革命が来ると予見しました。

 生産業がロボット化して人間が疎外されると予想しました。

 ノーバート・ウィナーは、1948年に「サイバネティクス」という本を出版しました。

 さらに一般人向けの本として、「人間のための人間の有効活用」という本を書きました。

 日本では、「人間機械論」という名前で売られました。

 この題名は誤解を生じさせます。

 この本の主張は、「人間には人間の働きがある。人間に単純な作業をやらせるのは、人間の特性を無視している。そんな使い方はいけない
」と訴えています。
 
 サイバネティクスは、人間性の科学なのです。


サイバネティクス終了