実践からの「気づき」

 このようにして、ここで行なわれていることは、「実践と仮説のフィードバック」です。

 前のページで例示したように、「科学」は「実践 practice」から生じています。

実際の場面で、何かが起こります。

 「王冠の真偽を知りたい」、「リンゴが落ちた」、「矛盾が生じた」というのは、「実践」の場面です。

 そこで「気づいたこと」のエッセンスを求めます。

 その方法として、統計学的手法をとることもあるでしょう。

 しかし、ポイントは「理屈付けreasoning」です。

 この理屈付 けがないと、科学になりません。

 こうして「気づき」は「仮説」 になります。
 
 そして、また「実践に戻す」のです。

 これが「検証」 です。

 検証するということは、仮説と矛盾する可能性のあることを試すことです。

 これは「反証可能性がある」ことになります。


 このようにして、実践で確かめると、たいていは不具合が出てきます。

 そこで、「仮説の修正」をします。

 そして、また実践に戻します。この循環をくり返していくと、だんだん仮説が検証されて、現実に適合するようになっていきます。

 仮説は「内側の世界」にできたイメージと「外側の世界」の間の関係付けです。

 実践は「内側の世界」と「外側の世界」をぶつけてみることです。