エリスの論理情動療法

個人的学習用に翻訳したものです。引用、転載はだめよ。

Ask Dr.Ellis 2005/03月
質問
 論理情動療法では、学校で良い成績をとり、親を喜ばせ、友達から好かれようとして、非常に苦しい思いをする生徒や若い人々が、将来に不安を持つときや、まだ心理的に自立していないときに、どのように支援するのでしょう。

回答

 若い人や生徒が心理的に自立できないと考えるのは誤りです。

 金銭や仕事という面で自立できないかもしれません。しかし、学校で良い成績を収め、親を喜ばせ、友人から好かれたい、しかし完全にできるとは思っていない時にでも、心理的に自立していることはできます。

 「うまくやって、他の人から認められたい」と望むことはよいことです。

 なぜなら、その望みは「そうしてみたい。だけど、そうできなくても、自分には価値がある」ということだからです。

 しかし、「成功して、他の人から認められなければならない」と思ったときには、違います。

 「うまくできなくて認められなければ、俺は人間としてだめなやつだ」という破滅的な考え方になります。

 論理情動療法の「自分をあるがままに認める哲学 Philosophy of Unconditional Self-Acceptance: USAの哲学(注 しゃれですね)」を身につければ、子どもでも青年でも心理的に自立できます。

 これは、「自分がうまくできようが、できなかろうが、偉い人が認めてくれようが認めてくれまいが、自分だけは自分を受け入れる」といつでも自分に言い聞かせることです。このような考え方に完全に到達できる人は、おとなでも滅多にいません。

 論理情動療法ではすべての有能な人々にこのことを教え、6歳以下の子どもにさえもそのようにしています。

 アメリカではどのように教えているのでしょうか?

 両親、学校の先生、小説、童話、そして時には、セラピーとして、さまざまな方法で行なっています。

 学生や若い人々が、「自分をあるがままに認める哲学」を身につけると、その人達はうまくやったり人から認められたりすることをとても好きになりますが、是が非でもそうしようとはしません。

 ですから、若くて経済的にもほかのことでも独立していなくても、心理的には自立できるようになります。

 もし、あなたに子どもがいるか、あなたが若い人といっしょに働いているのなら、このような理解は、「誰がほめようと非難しようと自分が生き生きとしているから自分を認められる」ということを若い人が知るのに役立つ大きな贈り物になります。

 ですから、あなた自身が自分をあるがままに認めるように仕事をしましょう。

 そうすると、そのように働いていること自体が、若い人にその哲学を効果的に伝える方法になります。

 若い人たちのこれからの人生のために、心理的に自立するように手助けしましょう。