エス = 『それ』とよばれる名も無いもの

 一般意味論を思い出してください。

 言葉自体に意味はありません。

 実際に存在するものや出来事に意味があります。

 実際に存在するものには、「名前」をつけることができます。

 逆に、実体のはっきりしないものには「名前」は付けられません。

 ですから、何かはっきりつかめないものを考えたり、話したりするためには「言葉」がないことになります。

 「内言論」でも同じような話が出ていたことを思い出すかもしれません。



 「言いたいんだけど、うまく表現する言葉が思いつかない」ことがあります。

 その人自身がまだ、対象をはっきりつかんでいないからです。

 そんなときは、深追いしないことです。

 本当に大切なことなら、あとから適切なときに表現されるでしょう。

 存在していても、明確に感じられないものには、「名前」をつけられません。

 「それ」というしかないときがあります。

pre next