行動主義は未だに根強くはびこっています。よくある「心理テスト」なんかもそうです。
「熊が好きな人は・・・である」とか、「赤い服を着るのは、・・・だからだ」という記述はいっぱいあふれています。
人間が反射で生きていると思っている古くさい考えによる記述です。
1970年代に、アメリカで Human potential Movement ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントが起きました。
日本語では、人間性回復運動と訳されます。
1945年にサイバネティクスの出現で唱えられた、「人間を機械のように扱ってはいけない」ということが社会運動になりました。
行動主義(SR主義)は、人間に心などないものとして扱っていましたから、当然、反対の声が上がってきました。
これがアドラーやマズローの人間性心理学であり、パールズやエリス、ロジャースの心理療法になりました。
行動主義の教育では、人間の個性、自主性はないものとして扱われていました。
しかし、人間性回復運動とともに、別の考え方が台頭してきました。
「人間には個性(ユニークさ)があり、刺激に対していつでも誰でも同じように反応するのではない」と言われ始めたのです。
人間にはひとりひとりの「ユニークさ」があるので、同じようには教育できません。
「ユニークさ」は外側から判定できません。
同じように刺激しても、違う反応をします。
サイバネティクスのページを思い出してください。
このような「中身のわからない機械」のことが書いてあったでしょう。
このように「どんな動きをするかわからない」ものをコントロールするには、フィードバックコントロールを使うというのが、サイバネティクスです。
このとき、学習者と環境の間のインタラクションは、刺激なのか反応なのか分からないことがあります。
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