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知識の伝授からは、新しいものを「学習」しません
 

study 知識からは学習できません。

 知識を教えることは、言葉の言い換えを教えるだけです。

 同義反復(トートロジー)です。一般意味論で、「地図の地図を作ることができる」と言われたことです。

 言葉による知識だけの伝授は新しい体験を与えません。今まで知っていることを言葉で繰り返すだけです。

 新しいことを学ぶには、「体験」が必要です。

 「体験」したことに外言を当てはめるか、全く新しい言葉を付けるかすると、その「言葉」は新しい体験を示すことになります。

 学習します。

体験談

 わたしはストーマケア、創傷治癒、褥瘡、キネステティクについて、何度か講演やセミナーをやりました。

 いわゆる講演形式で、400人、500人を集めて、スライドを見せて、理論を説明し、どのように考えるかを実例のスライドを見せて教えました。

 新しい考え方を提示すると、「目から鱗が落ちた」という人がいます。

 しかし、最後の質問として出てくるのは、

「わたしは、・・・という状態の患者さんを抱えているのですが、どんなケアをすればよいでしょう?」

 

 ハウツーを教わっても実践では役にたちません。

 何かをできない人はハウツーがわからないのではなく、「考え方」がわからないのです。

 「考え方」が変わらなければ、「行動」は変わりません。
頭脳の替わりに、マニュアルをのせると・・・

 マニュアル社会の欠点が指摘されています。

 毎年、病院のナース、介助者の質が下がっていると言われます。

 「考えない職員が増えている」と言われます。

 「自分で考えられないのだから、最低限の仕事はマニュアルで教えなければならない」と言われ、またマニュアルが追加されます。

 病院の機能評価もされます。その機能評価もマニュアルがそろっているかが問われます。

 機能評価をするサーベイヤーと呼ばれる人々も機能評価のためのマニュアルを持っています。

 「とにかく、すぐに最低限の質を確保したい」という要求のために、マニュアルが求められます。

 しかし、必要なことは、「最低限の質を確保する教育」です。

 そのために「学習が体験から生じる」ということを理解しなければなりません。

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