ロルフィングから学ぶ

 ロルフィングはアイダ・ロルフが自分の娘の家庭教師の体の不調を何とかしようとして開発した手技を理論化したものです。

 人間の体には習慣的な緊張が筋膜の変化として記録されていると考えます。

 その筋膜の変化を用手的に修正することで、クライエントの気づきを誘い出せると、クライエントの体が変容し、気持ちも楽になります(かもしれない)。

 アイダ・ロルフの体験に加えて、その跡を継いだ人々の体験を加えて、理論は少しずつ深められています。

 医学的な見解と一致しないところもあります。

 しかし、大切なことはいろいろな人の体験を理論という言葉にして、セッションという体験で伝えていることにあります。
 
 大切なことは、体の細やかな動きの感覚を取り戻すことにあります。

 ロルフィングの教育をしていたトム・マイヤーは、「筋膜の走っていくライン」があると考えました。

 ただ、ロルフィングを教えている人が全員、賛同するものではありません。

 マイヤーは、「Anatomy trains 解剖の鉄道列車」として、伝えています。



 マイヤーは、筋膜のつながり(=ライン、線路)が、動き(=列車)のつながりを作るといいます。

 ラインの途中には、動きが止まることのあるステーション、駅があります。

 腕には合計4本のラインがあります。

 そのラインの一つがDeep Back Arm Line 、腕の深部の後ろのラインです。

 左のイラストで示しています。


 小指の先から、尺骨を伝わり、肘を通って、肩先から、背中に回ります。



 このラインを、ゆっくり伸ばしてください。

 腕が伸びていきます。

 このときの腕の芯は尺骨のようです。
 
 もちろん、手の先端は小指の先端のように感じます。


 この感覚を、忘れずに「肘をついた仰臥位」から、座ってみて、自分の前腕のどこが床についているのかを確認してください。