90度ルールの誤り

 「90度ルール」は、患者さんを椅子に座らせるときの姿勢のルールです。

 左に載せたのが「90度ルール」を解説した図です。

 昭林社の「褥瘡の予防・治療ガイドライン」(1998)に載っています。

 厚生省老人福祉局老人福祉課監修という国家のお墨付きです。

 90度ルールは、「股関節、膝関節、足関節を90度に曲げて、大腿後面で体重を支えなさい」というのです。

 東京大学、金沢大学の看護学部の真田教授、須釜教授が広めました。

 でも、これは現実的な役立つルールではありません。

 大学の看護学部の教授も厚生省(現在は厚生労働省)のお役人も介助のことや、人間の体のことを理解していないと思います。

 介助において、大切なことは数字化して科学的に見せかけることではありません。

 実際に自分の体で確かめてみて、実際の中から普遍性のあるものを見つけ出すことです。