わたしは「パーカーを探して・・・」と言いかけたがやめた。
一目でわかった。
こいつが着ているパーカーが、わたしの探しているパーカーだ。
「こらっ、それはわたしのパーカーではないか!」と言うと、
「えっ、いいじゃないですか。お父さんはたくさん持っているでしょう。一枚くらいかわいい息子にあげたって」と言う。
たしかに、一般論では成り立つであろう。
しかし、この息子がかわいいであろうか?
今も、わたしのパーカーをとろうとしているのだ。
とんでもないやつである。
父親の顔を見てみたいものだ。