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ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインはオーストリア・ウィーン出身の哲学者で、言語哲学、分析哲学の創始者です。 ウィトゲンシュタインは1921年に「論理哲学論考」という本を出版しました。 翌年には英語とドイツ語の2カ国語版を出しました。 その中で彼は、「内側の世界」にできるイメージを、「外側の世界」の像と考えました。 ですから、「内側の世界」に像を造る行為は、像を写すこと、「写像」です。像を写すときに一つの像が二つになることは困ります。 ですから、「外側の世界」を把握することは、「1対1の写像を作ること」になります。 |
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「内側の世界」に言葉で作られた犬の像と「外側の世界」にある実体の犬は細部に至るまで、同じ関係でなければなりません。 言葉を使い、コミュニケーションする人間にとって、像として作られた犬の頭が胴体より大きかったり、しっぽがなかったりすることが混乱の元です。 ウィトゲンシュタインは「言語は、世界と同型であり、世界の写像である」と、主張しました。 同じく論理学者のバートランド・ラッセルが「論理哲学論考」の序文を書いています。 この2人は記号論理学の草分けでした。そして、2人とも「言葉」の「意味するもの」を求めています。 アリストテレスと同じように言葉に「意味」があり、その言葉による論理の正確さを求めました。アリストテレス的です。 しかし、ウィトゲンシュタインは、後に態度を変えて、「哲学探究」を書きました。 この本はウィトゲンシュタインの死後に出版されました。 この続きは後ほど出てきます。 |
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「論理哲学論考」へのリンク(一部日本語) | ||