「時間」を「空間」の概念

 「日本の…」というときには、「空間の概念」を使っています。

 同じように、「時間の概念」を使えば、アリストテレス的な誤解を避けることができるかもしれません。

 数学では変数を示すのにx1,x2,x3…というように添え字を使います。

 カーシブスキーは日本人(1900年代)、日本人(2005年当時)というように添え字を使うことが、数学の知恵を生かすやり方だとを勧めました。

 数学的表現をすると、「日本人(2005)は、日本語(2005)を使う」となります。

 日常的に言い換えると、「現代の日本人は、現代の日本語を使う。つまり、日本人はその時代に使われる日本語を使っている」ということになります。

 このように考えれば、「最近の日本語が乱れている」という言葉で示している内容は、以下のように翻訳されるかもしれません。

 「最近の日本語は、時代の変化とともに変化してきている

 この方が人間を取り巻く現実をよく示しているようでしょ?

 人間は言葉で抽象的な思考をします。その抽象化に使う言葉を現実にあわせて使わなければ、「言葉の世界」だけで創造した想像の産物を相手に戦争をするかもしれません。

 これは想像の話ではないのです。テロリスト、大量破壊兵器が今あるのか、かつてあったのかは、まったく違うことですから…。