フェルデンクライス・メソッドのプラクティショナーの選び方

わたし自身はフェルデンクライス・メソッドの教師ではありません。

このページでは、"Body & Mature Behavior"を読んでフェルデンクライス・メソッドのATMやFIを受けて学習した者として、プラクティショナーの選び方を書きます。

これが正しいフェルデンクライス・メソッドだというものではありません。しかし、最近、各地でFPTPが行なわれるようになり、いろいろなプラクティショナーが出るようになりました。その結果、混乱が生じています。

1人の学習者として、他の学習者に参考になるようにこのページを書きます。


パワーストーンや祈りを唱えるプラクティショナーは避ける

モーシェ・フェルデンクライスは、工学や物理学を勉強し、超音波ソナーの研究をしていました。科学者です。フェルデンクライス・メソッドは科学的思考を基礎にしています。

科学的思考をベースにてしていますから、確認できないものは対象にしません。「神秘主義」「精神主義」「がんばり」などは確認できないものです。

フェルデンクライスは、心理学さえも馬鹿にしていました。ポール・シルダーの生理学を基礎とする心理学だけを認めていました。

精神分析は、カウチに寝せることで、楽になるだけと考えていました。

あるセラピーが効果的であったからといって、そのセラピーを説明している理論が正しいと限らないと言っています。

物理学や生理学と矛盾する理論は認めていません。

モーシェの書いた"Body & Mature Behavior"を読むと、パワーストーン、宇宙の神秘のエネルギー、チャクラ、祈りなどはフェルデンクライスの認めるところではありません。そして、わたし自身の信条とも違います。

フェルデンクライス・メソッドのATMやFIを受けると体が楽になり気持ちもゆるみます。モーシェは、その理由をBody & Mature Bhaviorの中で詳しく論じています。しかし、「祈り」も「パワーストーン」も出てきません。

フェルデンクライス・メソッドでは、言語的説明をしませんから、最近、「フェルデンクライス・メソッドは何でもありだ」という誤解をしているプラクティショナーが出てきています。

個人的に「パワーストーン」や「祈り」を信仰することは問題ありませんが、フェルデンクライス・メソッドの中に、これらのことが含まれると主張するプラクティショナーは無知です。

モーシェは、言葉で教えても分からないことを教育していましたから、解剖学、生理学、サイバネティクス、システム理論を学習しないプラクティショナーには、言語化はできません。その結果、神秘主義に迷い込む人も出てきます。

フェルデンクライス・メソッドを科学的教育の一つのとして学びたい人は、「いのり」や「パワー」を信仰しているプラクティショナーには近づかないことをおすすめします。


がさつにさわるプラクティショナーを避ける

FIを受ける時には、必ず接触があります。

接触に注意しない プラクティショナーにさわられると体は硬くなります。

たいていの人は、緊張が強いので、がさつな接触をするプラクティショナーでも気になりません。しかし、FIを受けていくと、緊張が低下し、そのようながさつな接触ではかえって緊張が高まるようになります。

フェルデンクライス・メソッド自体は、モーシェがたくさんのやり方を開発し、効果的にできています。しかし、接触の質を気にしないプラクティショナーでは、学習が阻害されます。

強い接触になれている理学療法士やあんまマッサージ師のような接触をされた時には、学習が邪魔されます。そのような場合、複数のプラクティショナーからFIを受けると、自分の体が何を求めているのかをわかりやすくなります。

膝を立てる、下肢を持ち上げる、頭を転がすなどのときの接触の質に注意してFIを受けるといろいろなことに気づきます。接触の中で気づきます。あっ、Awarenessだ。