AHCPRの褥瘡予防のガイドラインのMechanical Loading and Support Surfaces
「力学的負荷と支持面」の4番目はSide-lying Positions「側臥位」です。
「大転子に重さがかかるから、90度側臥位はよくない」といわれます。 「大転子に直接重さをかけないほうが良い」というのは、臨床的にも妥当なことですから、こんな実験に頼らなくともわかることです。 ここで問題なのは、このような「根拠」を挙げることは、「計測することが科学である」という「誤った考え方」が表れていることです。 人間を扱うときには、「感覚」を通して相手の体に起こっていることを知ることが大切です。 しかし、ここでの根拠は圧測定器という機械と、酸素分圧計という機械です。 その実験結果が臨床にそのまま当てはめられています。 このような人間と言うものの理解を誤った「科学的根拠」をケアの根拠にする人は、ケアされる人に触れる必要はありません。 距離をおいて、数値を目で見て判定すればよいのです。 すると、「側臥位は30度」と目で見た形で指導されることになります。 しかし、本来は「側臥位を取らせたときは、手で触れて組織の状態を確認して、ケアされる人の大転子やその周囲の皮膚の血流が悪くならないように配慮しなければならない」と指導されるべきではないでしょうか? 人に触れることから得られる情報を大切にするということが指導されれば、いわゆる「体圧測定器」も「経皮的酸素分圧測定器」も必要ありません。 コストも下がるし、器具の管理も不要になります。 なによりも、ケアされる人も測定器で触れられるより、人の手で触れられるほうが気持ちよいでしょう。 もちろん、接触についての理解をしている人がケアする限りはですが・・・。 大切なのは、90度とか30度という数値でも、座っている見かけでもありません。 そこで何が起こっているかを感じることです。 「側臥位」については、キネステティクス的褥瘡ケア解説にも書いています。参照してください。 |
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