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臨床的な「関節の拘縮」は、2つのことがいっしょになっています。 「構造の変化」と「機能の変化」です。 「構造の変化」は、筋肉や関節包が線維組織に置き換わることです。 こうなると、筋肉や関節包が伸びませんから、関節の動ける範囲が狭まります。 「機能の変化」とは、筋肉の伸びるのに必要な時間が延びることです。 その原因として、老人では、長い間、使わなかったために筋肉をゆるめることを忘れているときがあります。 どちらの変化が起きても、関節は動きずらくなります。 外傷は「構造の変化」が「機能の変化」に先立つ例です。 つねに筋肉を緊張させていると、その緊張になれて、「機能の変化」が起こります。 この「筋肉の緊張」は、「神経と筋肉の生理学」のページに解説しました。環境を通した「学習」の結果です。 「機能の変化」により、関節の可動域が少ないままになると、関節というサブシステムに不要となった構成要素、たいていは筋線維か関節包の弾性線維、をへらします。 使わないものは維持するだけでも、システムにとって邪魔だからです。 外側からは筋肉の萎縮と関節の拘縮として観察されます。 このようにして「機能の変化」は、「構造の変化」を招きます。 以上のようにして、「動きの欠乏」は、「動き」の構成要素である筋肉や関節という「動きの資源」そのものを障害していきます。 |
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「動きの欠乏」と「動きの資源の欠乏」の悪循環が続くと、拘縮が進行します。 |
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