人体の横断面については以下のサイトを参照してください。
すべて英語ですが、辞書引きながら読んでも学習になります。
Net Anatomy
Wayne State University
Anatomy Atlasl
上のサイトでCT画像を見ていくと、左のイラストと同じ断面、つまり恥骨と股関節を含み全周が骨であるような骨盤断面は出てきません。
左のCT写真のように、恥骨結合と股関節を通る面で骨盤の骨は完全な環をを描きません。
環は背中側で一部切れます。
断面のレベルと角度により、尾骨か仙骨の断面が見えます。
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骨盤の解剖をまじめに見ると、恥骨結合と股関節を結ぶ平面には骨のないところがあります!
上のイラストの図を作るような平面がないことがわかるでしょう。
つまり、上のイラストの骨盤と筋肉は実体ではありません。
想像の図です。
実際の骨盤で殿筋を下敷きにすると、そのレベルは恥骨よりずっと上です。
骨盤を支持する領域は体幹の水平面ではなく、斜めになります。
大腿骨の大転子はイラストのような真横の位置を保てませんから、前後にずれます。
それでも安定しないので、結局、殿筋ではなく頭側にある腸骨稜と足側にある大転子が骨盤を支えることになります。
下敷きにされた殿筋は押されながら、伸ばされます。
期待した働きもなく、ただ痛いだけかもしれません。
もし、このイラストが断面図ではなく、俯瞰図だというのなら腸骨稜も描き込むことを勧めます。
そうすれば、結局、腸骨稜に圧がかかることがはっきりするでしょう。
実際の患者さんを見てみると、腸骨稜に圧力をかけずに殿筋をクッション代わりに使えるほど、殿筋は大きくありません。
このイラストの骨盤と大腿骨の解剖学的関係には無理があります。
そこが、このイラストの「小さな誤り」です。
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