3/17

ア (パイロットとして) もし、万が一にも、万が一に もだぜ、へまを踏んだら、あとは下が硬い地面かどうかだァな。

 今んところは、大西洋横断じゃ事故はまったくない。

 知ってたかい。

 (続き アデレードとして)でも、わたしの行く先は、あいにくとロンドンなのよ。

 ロンドンよ、知ってる?

 大西洋の真中でどうすんのよ!

 それがなんになるの!

 ああ、昔は良かった。

 あのぞっとするようなおぞましいものにあふれた時代でも、結局、今ほどひどくなかったはずよ。

(パイロット)ちっちっち。奥さん。

 そんなこたぁ、これから休暇で飛びたとうってときに考えるこっちゃねぇですぜ。

 まるで、馬鹿ですぜ。

 もう一度、言って。

  (パイロット)まるで、馬鹿。馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿。

 ばかばかしい。

 俺は稼ぎのために仕事をやってるんだ。

 いくら、年に5万ドルかせぐったって、ほかの こともするんだ。

 これは仕事でやっているんだ。

 毎日、いや、毎日じゃねぇ、一月に15日間、俺は稼ぐためにこうしているんだ。

 あんたは馬鹿な女さ。

(アデレードとして)自分が馬鹿なことは知っているわ。

 いいえ、今のは冗談よ。

 馬鹿じゃないわ。

 知ってる?、わたしは飛行訓練を受けたのよ!

 飛行機恐怖症に少しは役立つかと思って、飛行訓練を受けたのよ、リトル・ パイパー・カブのね

ド わ しに向かって言わんように・・・