脳は臓器です

脳は臓器です.過去を記憶して,状況の因子をどがちゃかして演算式を作ります.「これがああで,あれがこうだから,こうなった」近似式を作るのです.取り上げられる因子は限定されていますから,あくまでも近似式です.
新たな状況に遭遇すると,現在の因子を並べて,過去の近似式から未来の予測をします.近似式ですから,完全な予測はできません.だから,外れます.失敗と判定する人もいます.でも,外れるのは当たり前なのです.予測に使ったのは,因子の数が限定された近似式でしかないからです.
失敗を重ねるうちに近似式はより現実的なものになるかもしれません.ずーっとハズレが多いかもしれません.
未来は予測どおりにはなりません.だから,失敗するし,その失敗は悪いことではなく,持っている近似式の精度を上げる学習です.
また,持っている近似式が役に立たない状況になることもあります.まったく新しい状況では今までの近似式では役に立たないのです.
たくさんの近似式をもつこと,どの近似式を使うかを選択できることが能力になります.
それなのに,「決めたとおりにしなくちゃいけない」「予測したとおりにならないから,だめだ」というアホな考えをすることが多いです.
脳は臓器です.過去を記憶し,演算し,近似式を作り,次の機会に使います.ただの演算する臓器です.
脳という臓器の非現実的な思い込みで,現実に合わないことをするのをやめると楽になります.それは,「脳を自分の意のままに使う」ことになります.
最近,「脳に振り回される」人とお話したので書きました.