カリー

昨夕はネパールカリーの小さなお店に行きました。マトンカリーを口に入れると、「おお、マトンの香りが!」
下顎の永久門歯が生えていない羊の肉はラムと呼ばれ(多くは生後一年未満)、永久門歯が1本のものはホゲット(多くは生後二年未満)、2本生えたらマトンと呼ばれます。
ラムは若くて肉に草の香りが移っています。マトンは脂肪の中に特有の香りがあります。日本人は不慣れなので避けられます。ですから、マトンの香りのするカリーは珍しい。
 ジンギスカンの肉は今はラムが使われます。しかし、わたしの子供の頃はマトンでした。私にとってマトンは子供時代を思い出す鍵です。
 そのマトンを味わっている間、背後の三人の女性客がずーっと喋っていました(6人いると思ったくらい)。時々、お店のシェフが水を持っていき、「水は足りていますか」「味はいかがですか」と聞きに行きます。私のところには来ません。
 食事を終えて立ち上がり、そのお客のテーブルを見て理由がわかりました。その客の前には、提供されたときには温かかっただろうナンやカリーが冷たくなっていました。

 「大馬鹿野郎!」と私は叫びました。心の中で。

 温かい食事は温かいときに美味しいように作られています。シェフはそのようにして食べてほしいのです。おしゃべりは食べた後にできます。おしゃべりするだけなら、公園でも自室でもできます。レストランに来たら、まず食事をきちんと味わいましょう。それがお客さんとしてのお店に対する礼儀です。

 「お味はいかがですか」と聞かれたときは、「冷めないうちに早く食べてください」という意味かもしれません。
 私は言いたい。「気づけよ!!! 大馬鹿野郎!!!」でも言わない。自分で気づいてほしいからね。