自我と超自我は無意識、前意識、意識の3つの状態に分散しているでしょう。
エスは決して意識されることのない心ですから、無意識状態にあります。
エスのリビドーそのものが語られることはありません。
自我と超自我という厚い鎧の奥に隠されています。
ですから、クライエントがどこに固着しているのかは、すぐにはわかりません。
しかし、エスは、自我の鎧の隙間を通して前意識に足跡を残すかもしれません。
エスが自我の前意識に残した足跡が、自由連想のうちにかいま見られるかもしれません。
この「エスの足跡」にクライエント本人は気づきません。
精神分析医が自由連想を、あるがままに受け取っていくうちに、クライエントが意識せずに強調していることに気づくかもしれません。
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