そういえば、ショートステイのときに、「おじいちゃん、すまないけれどこの人が動いて危ないことをしないかどうか、見張っていてちょうだい」とお願いしたら、じーっと見張っていてくれました。

  見張ってもらった人は自分では全然動けない人なんですけどね。

  お願いしたら聞いてくれて、じーっと見守っていました。

 そのおじいさんは、「自分が他人の役に立っている」ということで自分の存在理由を見つけたんだと思う。

 そのおじいさんが夜、眠らないで起きているときには、寮母さんは、「この処置車を押してきてください」とお願いして、ほかの患者さんの夜間のケアの道具をのせた車を押してもらっていました。

  「そうすると、ちゃんと押してついてきて、落ち着くんです」と寮母さんたちが言っていました。

 それはすばらしいことではないですか!

  あなた達はそれを自信を持って話し合うべきです。

  ぜひ、その寮母さんたちに「自分たちのやっていること」が何なのかを教えてあげてください。

  そのフィードバックが必要です。

  あなた達は、とても質の高いケアをしているのですよ!。



 現場ではすばらしいことが起きているのです。

 しかし、それに「気づく」人はとても少ないです。

 認知症の人は自分のやっていることがわからないから、うまく行動できない。

 寮母さんたちはうまく行動できているのに、自分が何をしているのかをわからない。

 わたしはなにもせず、何もできませんが、何が起こっていかに気づき、何をしているかを表現できます。