あなたは「健康診断を受けること」はお好きでしょうか?
たいていの人にとっては、「ありがた迷惑」です。
診察する側としても、「あなたは太りすぎですから、栄養士から食事指導を受けた方がよいと思いますよ」と言ったり、「胃のバリウム検査でははっきり見えないところがありますから、消化器内科で内視鏡などの詳しい検査を受けることを勧めます」などと話したときに、「えっ!?それはどういう病気が考えられるのですか?」と、気色ばんで質問されるのは、楽しいことではありません。
健康診断は、「健康を保証するもの」ではなく、「自分の体がハツしているけれど、自分では気づかないサインに気づかせる」ことだと思います。診断した側が、受診者の健康をすべて請け負うことはできませんから、「気づき」を与えて、自分で対処できるようにしてあげることが良いと思います。
「自分で気づくようにできる」と、自分でコントロールできます。
自分でコントロールできると、やりたいことのために、行動を調節できます。
すると、早くできなくとも、確実に目的に近づくことはできます。
自分でコントロールできなければ、他の人にコントロールしてもらわなければ、行動できません。他人にコントロールされることは、とてもつらいことです。
たとえば、糖尿病の治療を考えてみましょう。
普通の人は血糖が上がると膵臓からインシュリンが出て血糖値を下げます。
運動して血糖値が下がると肝臓のグリコーゲンが分解されて糖になり放出されて、血糖値が上がります。
このようにして、体は一定の血糖値に調節しています。
血糖が高くなったときにインシュリンを出すことが適切にできなくなった状態が糖尿病です。
このようにして、「自分で自分のことをコントロールする」ということができていれば、「今、ここ」で持っている能力と体をすべて使って生きることができます。
これがサイバネティクスシステムとしての人間の「健康な状態」です。
キネステティクスの中野「健康」の概念は、サイバネティクス的健康です。
たとえ、検査値からは糖尿病と診断されても、サイバネティクスシステムとしては健康でいられます。
「糖尿病」という診断は、「不健康である」ということではありません。
「血糖のコントロールに意識の参加をすることで、やりたいことのできる体である」ということです。
「えっ、それって病気だろう!」と思うでしょう。
では、質問です。